2023年で開業16年目。2021年5月から赤磐市へ移転しました。 2020年7月に糸紡ぎの本「糸紡ぎのテクニックとデザイン」を誠文堂新光社より出版しています。 紡ぎ車や手織機は、世界最高レベルの素晴らしい道具たち、手仕事の時間を少しでも快適に、楽しくワクワクするような素材、道具の紹介、イベント開催などしています。
■ニュージーランドの羊■ ■歴史 もともと、ニュージーランドに羊はいませんでした。 ニュージーランドに、初めて羊を持ち込んだのは、キャプテン・クック。 1769年、北アフリカから船で連れてきましたが、ニュージーランドの環境に対応できずに、生き残れませんでした。 その後、丈夫なメリノがオーストラリアで定着して、ニュージーランドに羊の群れが上陸したのは1834年のこと。 |
■Kakara Woolworksで取り扱っている羊の種類 (2009年11月更新)
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■Merino メリノ 世界でもっとも古くからいる羊。 1834年に初めてニュージーランドに紹介された。 1900年代まで、急激に増加したが、ロムニーやボーダーレスターのような多目的の羊に 取って代わられた。角のない種類のメリノもいる(Poll Merino) 短い角〜ぐるぐるの立派な角がある。白い顔。頭やほお、足にも毛がある。 首にはしわがある。フリースはとても密で弾力がある。 羊1頭で、メス40〜55kg、オスで53〜73kgで、 羊毛が平均1頭で、3,5kg〜5kgほど取れる。 ファイバーの直径:19〜24ミクロン 高級な羊毛製品、梳毛繊維のための羊。 ニュージーランド国内には、330万頭。 |
■Polwarth /ポルワス 1880年オーストラリアで、メリノとリンカーンを交配されてできた種類。 1932年に初めてニュージーランドに輸入された。 角はない。白く柔らかい顔。ピンクの鼻孔。頭やほお 目の上、足にも毛がある。 羊1頭で、メス50〜60kg、オスで66〜80kgで、 羊毛は密でちぢれている。 羊毛が平均1頭で、5kgほど取れる。 ファイバーの直径:23〜25ミクロン ニュージーランド国内には、16万頭。 |
■Corriedale/ コリデール 1860年代に、ニュージーランド南等のオタゴ地方で ジェームス リトルによって開発された種類。 メリノのメスとイングリッシュレスターか、リンカーンを交配させた。 ニュージーランドで一番有名な種類。 角はなく、柔らかい白い顔。黒めの色の鼻孔。 頭と足にも毛がある。 羊1頭で、メス65〜80kg、オスで85〜105kgで、 羊毛が平均1頭で、5,5kgほど取れる。 毛足は長めで、中番手。 ファイバーの直径:28〜33ミクロン 毛の用途:軽めのツイード、手編み糸。 |
■Halfbred / ハーフブレッド 19世紀につくられた種類、メリノとレスターのような長毛の品種、または、リンカーンやロムニーの交配。 角はなく、白い顔。ピンク系か黒めの色の鼻孔。 頭とほおにも毛がある。また足もほとんど毛が生えている。 羊1頭で、メス40〜55kg、オスで53〜73kgで、 羊毛が平均1頭で、5kgほど取れる。 毛は厚みがある細番手。 ファイバーの直径:25〜31ミクロン 毛の用途:梳毛織物、良質なニットウエア。 |
■New Zealand Romney / ニュージーランド ロムニー イングランド南東部が起源。1853年にニュージーランドに上陸しました。 1900年代に急激に増加して、他の羊との交配種も生まれました。 Romney × Cheviot = Perendale Romney × Border Leicester = Coopworth 角がない。白い顔。黒い鼻孔。頭とほおにも毛がある。 足も毛で覆われている。 羊1頭で、メス45〜65kg、オスで60〜86kgで、 羊毛が平均1頭で、5,5kgほどとれる。 重さのある羊毛で、少し光沢あり。 ファイバーの直径:33〜40ミクロン 羊毛の60%ほどがカーペットに使用される。ブランケットや、編物糸。 |
■Perendale ペレンデール 1960年に登録された。チェビオットとロムニーの交配で、パーマストン・ノースにある当時農業大学だったMassey University のぺレン教授(のちにジョフレイ卿)によりつくられました。 ペレンデールは丘の多い地域で遊び、このウールはとても高品質で、特にブランケット用に必要とされています。 黒い小鼻が特徴。 角がない。白い顔、黒い鼻孔。ぴんとたった耳。足には毛はない。 羊1頭で、メス50〜60kg、オスで66〜80kgで、 羊毛が平均1頭で、4,3kgほど。 羊毛は長く、少し光沢あり。弾力もほどよくある。 ファイバーの直径:31〜35ミクロン ニュージーランド国内には、310万頭 |
■Gotland Pelt/ ゴットランド ペルト スウェーデンのゴットランド島が起源。 1986年にニュージーランドに初上陸しました。 ニュージーランドではまだまだ珍しい種類で300頭ほどしかいない。 角はなく、黒い顔が特徴。頭や足部分には毛はない。 羊1頭で、メス50〜65kg、オスで66〜86kgで、 羊毛が平均1頭で、3,5kgほど。 羊毛の色はブルーグレー系が多く、パーマをかけたようにカールしていてクリンクリン! とても光沢がある。 ファイバーの直径:27〜33ミクロン 毛の用途:主にヨーロッパで、毛皮など高級ファッション業界で使われる。 参考書籍:Pocket Guide to Sheep Breeds of NZ Short History of Sheep in New Zealand |
■ニュージーランドのスピニング事情■
世界で一番、紡ぐ人がいる? ニュージーランドは、オーストラリアについで羊の多い国!? ではなくなってしまいました。 2009年現在、残念ながらニュージーランドの羊の数は年々減少中 中国やインドなどに抜かされています。 ですが、紡ぐ人口はまだまだ多いのです。 |
どこの小さな町にも、スピニングクラブがある!? 本当に、どんな小さな町でも、スピニングクラブがあります。 週に1回や2回、公共の場所で、または個人の家に集まって、お茶やお菓子を持ち寄って、 みんなで作品を見せ合ったり、批評や、おしゃべりをしながら糸を紡ぎます。 |
紡ぐ人の年齢層は? たいていは、おばあちゃんです。 たまに、男性で、すごくうまい方もいます。 若い人は、忙しいから(?)と、あまり興味がないよう(?)で、めったに会いません。 この先、ニュージーランドの紡ぎ手が減少することが心配です。 もっと 日本のように若い人が、紡ぎに興味を持てたらいいですね。 ニュージーランドのおばあちゃん達は、本当に飛ぶように元気で若い! |
自分の羊から紡ぐこと! そうです。ニュージーランドならでは! 自分のファームの羊から取れたウールで 紡いでいる人がたくさんいます。 中には、ファームの羊はすべて、スピニング用に育てているというファームもあります。 なので、交配されて、いろいろな色のナチュラルカラーの羊がたくさんいます。 |
クリエイティブ ファイバー フェスティバル 1年に1回ニュージーランドのどこかで開催される、クリエイティブ ファイバー フェスティバルには、 ニュージーランド中から、スピナー(紡ぎ人)、ニッター(編む人)、ウィバー(織り人) が集結します。 この期間は、会場周辺は熱気ムンムンで、たくさんの作品の競演をみることができます。 |
紡ぎ車会社 ニュージーランドには、紡ぎ車会社がたくさんあります。ちょっと数えただけでも4社。 南島のアシュバートンには、おなじみのアッシュフォードは世界で一番大きな紡ぎ車の会社。 今は2代目の社長さんです。 他にも、同じ町に、小さな紡ぎ車の会社もあり。 ネルソンというところにも一つ。小さな手作りの紡ぎ車の会社。 マジャクラフトは、北島のタウランガという港町にあります。 ![]() |